読書

【再読】世界の一流は「休日」に何をしているのか|「休養」と「教養」の使い分け

月曜の朝、「もう週始めか…」と心が憂鬱になる。
土日にゆっくりしたはずなのに、頭と心が重い。仕事に集中できない。気づけば金曜まで惰性で走り、土日にまただらける。
――そんなループ、ありませんか?

特に管理職である私は、平日はずっとSlackやメールの通知に反応し、顧客とも向き合い、プロジェクトの意思決定を繰り返し、自宅でも技術情報をキャッチアップする。身体は座っているのに、脳と心はずっとフル稼働。これでは寝ても回復するはずがありません。

そんなときに再読したのが、越川慎司さんの『世界の一流は「休日」に何をしているのか』です。数年前にも一度読んでいた本ですが、当時は「ワークライフハーモニーという言葉、始めて聞いたな」程度で、本書の本質は他人事として流していました。疲労がなかなか抜けない今、再読してはじめて腑に落ちた――そんな新たな一面を見た一冊です。

本記事では、再読を通じて「休養教養の捉え方をどうアップデートしたか」を、自分なりに咀嚼してまとめます。15分ほどお付き合いいただければ、来週の過ごし方が変わるはずです。

👇初読時の感想



なぜ今、休日の過ごし方を学び直したのか

働き方改革が叫ばれて数年。リモートワークも定着しました。それなのに、なぜか「疲れている人」は減るどころか増えている印象があります。

本書は、その背景をこう整理しています。

  • 働き方改革のスタートがコロナ禍と重なったこと
  • リモートワークの普及で「隠れ残業」が増加したこと
  • 日本企業の約7割が労働集約型(=人と時間で売上を作るモデル)で、休みの哲学がアップデートされていないこと

つまり、「制度は変わったけれど、休み方の哲学が変わっていない」のが現状。だからこそ、休み方そのものを学び直す必要があります。技術の進化が早いIT業界では特に、休日のデザインを「気合い」ではなく「戦略」として持つことが、長く戦うエンジニアやマネージャーの必須スキルとなるように感じたため、再読することで休日を学び直そうと思いました。


本書のエッセンス:世界の一流の休日2原則

世界水準のエグゼクティブの休日には、共通点があるといいます。

原則内容
休養身体・心・脳のエネルギーをチャージする
教養知的エネルギーを蓄える(読書・芸術鑑賞・セミナー)

ポイントは、「平日のための休日ではなく、休日のための平日」という発想の転換。

仕事は究極の暇つぶしという人もいる(本書より)

衝撃的な一節ですが、要するに「休日のために仕事をしている」というスタンス。ここまで割り切ると、平日のパフォーマンスが上がり、結果的に休日も楽しめる――という好循環が生まれます。

そして本書のもう1つのキーフレーズが「温存戦略」。疲れたから休むのではなく、疲れる前に休むという発想です。ガス欠寸前まで走るとリカバリーに時間がかかるだけでなく、ダウンするリスクもある。だから「まだ疲れていないうちに、戦略的に休む」のが合理的、というわけです。


「休養」と「教養」、「身体・心・脳」── 休日設計の核

本書の核となるのが、「休養と教養を意識的に配分する」「身体・心・脳の3つを別物として休ませる」という二層の発想です。

休養と教養は両輪

キーワード意味具体例
休養エネルギーを「回復」する睡眠、運動、サウナ、瞑想
教養エネルギーを「蓄積」する読書、美術鑑賞、セミナー

休養だけでは未来への投資にならない。教養だけでは身体と心と脳が消耗する。両輪で回すからこそ月曜に最高な状態で臨める――これが本書のロジックです。

疲労は「身体・心・脳」で切り分ける

疲労タイプ処方箋
身体ストレッチ、ジョギング、ウォーキング、読書
キャンプ、ハイキング、サウナ、友人との会食
美術鑑賞、映画鑑賞、セミナー、書店巡り

脳は、新たな知識を与えると元気になる(本書より)

「脳が疲れたから何もしない」ではなく、「脳が疲れたから新しい刺激を与える」。教養は単なる知識習得ではなく、脳の回復装置でもあるのです。


なぜ世界の一流は「読書」を欠かさないのか

世界の一流が休日に読書を欠かさないのは、論理的思考力・創造力・多角的な視点・発想力を一度に磨ける、最も安価で効率的な手段だからです。

特に効くのが「普段読まないジャンルの越境読書」。技術書ばかりのエンジニアにこそ、こんな越境がおすすめです。

ジャンル効能
歴史・古典長期視点・意思決定の軸
哲学・思想「なぜそうするか」の問い直し
小説・文学感情の解像度が上がる(1on1の質UP)
アート・建築美意識・空間思考(UI/UX設計に効く)
伝記・ノンフィクション自分の選択肢が増える

私はスポーツ選手が出した本を読むなど、技術本やマネジメント本以外の本も積極的に読むようにしてます。そうすることで、不思議と仕事のモチベーションが上がったりします。


【学び】初読時には見落としていた、2つの気づき

私はこの本を数年前に一度読んでいます。けれど当時は「休む大切さは分かるよ。とはいえがむしゃらにやらないといけないんだよ・・・」と他人事として処理していました。再読してはじめて深く刺さった3つの気づきを、Before/Afterで書きます。

学び①:「休む=寝る」という思考停止からの脱却

Before(初読時):7時間寝れば十分だと思っていた
After(再読後):「身体・心・脳」のどれが疲れているかを切り分け対処する

初読時の私は「休養=身体を休めること=寝ること」だと素朴に思い込んでいました。だから土日に寝ても疲れが取れず、「自分は体力がないのかな」と勘違いしていたのです。

再読して気づいたのは、私の疲れの正体は『脳と心』だったこと。一日中Slackやメールに反応し、会議で意思決定を繰り返し、家でもスマホを見続ける。これは身体ではなく脳と心の疲労です。寝ても回復しないのは当然でした。

学び②:「自己認識力」と「自己管理能力」

Before(初読時):「自己管理ができない自分」って何?自分のことは自分がよく分かってるよ。
After(再読後):「自己認識ができていないから、自己管理もできない」と理解した

本書では一流の共通項として「自己認識力が高く、自己管理能力に優れている」と書かれています。私はこの2つを別物だと思っていましたが、実は自己認識が先なんですね。

先日のゴールデンウィーク休暇時に体調を崩しました。原因は疲労とストレスでした。

ゴールデンウィーク休みに入ったことをいいことに、朝4時からバリバリ朝活を行った結果、翌日に体調の異変を感じ、そのまま2日間寝込みました。思うと、平日の仕事の疲れを引きずったまま無理をしたせいだと考えてます。まさに、自身を認識できておらず結果として管理もできていませんでした。


AIを「自己認識のパートナー」にする

ジャーナリングは1人だと同じ思考パターンの中をぐるぐる回りがち。そこで私はClaudeにコーチ役(内省)を頼んでいます。

[AIコーチング(内省)・プロンプト例] あなたは私の専属コーチです。 以下のフォーマットで私の今週の振り返りを聞き、深掘りの質問を3つしてください。

【今週の状態】

  • 身体:◯/10
  • 心:◯/10
  • 脳:◯/10
  • 一番疲れた瞬間:
  • 一番回復した瞬間:

【質問の方針】

  • 評価せず、好奇心ベースで問いかけてください
  • 「なぜ」より「何が」「どうやって」を優先してください
  • 私が気づいていない視点を提供してください

これを日曜夜に走らせると、自分1人では出てこなかった気づきが湧いてきます。AIの良さは遠慮なく深掘りしてくれること。休養と教養の振り返りに、AIをそっと加えてみてください


管理職こそ実践してほしい「上司が率先して休む」

上司が率先して休みを取れば、部下も気兼ねなく休むことができる(本書より)

当たり前のようで、実践できている管理職は驚くほど少ない。私自身、メンバーには「ちゃんと休んでね」と言いながら、自分は土日もチャットを返している過去がありました。部下にとって最大のロールモデルは、上司の休み方です。


まとめ

本書の学びを5つに整理します。

  • 休日のために仕事をする
  • 「休養」と「教養」を意識的に分けて土日に配置
  • 疲れる前に休む「温存戦略」を徹底
  • 身体・心・脳の3つを別物として休ませる
  • 土曜=チャレンジデー、日曜=リフレッシュデー

そして最大の収穫は、自己効力感を高めるのは、休日の小さな成功体験の積み重ねだということ。

もっと深く知りたいと思ったら、ぜひ本書を手に取ってみてください。読書という最高の教養を通じて、あなたなりの「休養」と「教養」のバランスが見つかります。私も初読では流した一冊を、再読で人生のお守りに変えることができました。

最高の1週間、今から始めましょう。


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