サウナ

【熱波師への道 #1】サウナに関する一般座学


実は私、プロの熱波師です。と言っても実際にお客さんを相手に温浴施設で1人でアウフグースをやったことはないのですが、熱波師検定Bという資格を持っております。

熱波師検定とは?

熱波師検定は、日本サウナ熱波アウフグース協会が主催する資格試験で、熱波の技術・接客・理論について一定水準以上のスキルを証明するものとなります。

実際に熱波師検定を受ける際には、以下の点を問われ評価されます。

  • 座学:サウナの基本的な知識(温度管理、衛生管理など)
  • 実技:ロウリュウやアウフグースの技術
  • 接客:サウナ利用者に対する安全確認や、快適な環境づくりをどのように行うか

    熱波師検定を受講する流れ

    熱波師検定は、「検定B」→「ステップアップセミナー(SUS)」→「検定A」の順で進みます。途中からの飛び級受講はできません。

    具体的な内容

    【熱波師検定B】

    サウナ現場で必要となる基礎的な知識を学び、また実技講習では専用のバスタオルを使った技術を習得します。

    【ステップアップセミナー(SUS)】

    熱波師検定Bで学んだ内容をさらに深め、より実践的なスキルを学びます。

    【熱波師検定A】

    一連の熱波イベントを1人で実施する手順を学びます。熱波師として活動する上で必要な最低限の技能を身につけることを目標としています。

    そんな熱波師検定Bを持っている僕が熱波師としてアウフグースをやってみたい!という長年の夢を追うべく、2025年内に1度はアウフグースイベントを行うという目標を掲げ今回【熱波師への道 #1】というタイトルでブログを書いていきたいと思います。

    第1回目の今回は、熱波師検定Bを受けたのも実は3年も前に遡る話のため、まずは当時学んだサウナに関する一般座学を復習したいと思います。

    ロウリュウとは?

    フィンランド用語で熱い水蒸気(熱い石にアロマ水をかけた)を意味する。(いずれ消えるもの)

    ロウリュウすることでサウナ室の室温は若干下がるが、体感温度は上がる。また日本ではアロマ水を使うことが多いが、フィンランドでは基本水である。(アロマ水はアレルギー反応が出る場合がある)

    800年前のハンガリーでアウフグースみたいなことが行われていた

    サウナといえば汗

    現代人は汗をかかないと言われています。それは「エアコン」「筋肉量の低下」「体温の低下」などが原因のようです。汗をかくことをしなくなると、汗腺が弱まり汗が出ずらくなり、体温調整が難しくなります。

    今や社会問題になっている「熱中症」ですが、適切にミネラル・水分をまめに摂取し、サウナを有効に活用することで、熱中症を防ぐことが可能となります。また、サウナに入ることで「落ちた免疫力を平均値に戻す」「血流を良くする」効果などもあります。

    サウナに入ってはいけない状態とは?

    サウナは湯船と違い水圧はかからず、身体への負担は比較的少ない(空気の熱さのため負荷が少ない)と思われますが、サウナに入るべきでない体調の時もあります。

    • 医師から止められている人(持病)
    • 飲酒後(脱水)※サウナでアルコールは抜けない
    • 寝不足
    • 体調不良など

    また「身体が暖まりきっていない状態で脱衣所に行く」などの行為は大問題です。理由として、急激な温度変化により血圧が急上昇または急降下し、ヒートショックを起こす危険があるためです。これは失神や心臓への負担につながる可能性があり、特に高齢者には注意が必要です。熱波師には人の状態を観察する力(顔色、アクション)も求められます。

    またサウナ1回で700mlの汗が事例もあるため、自身に合った適切な量の水を飲むことも大事です。

    サウナの入り方

    サウナに入るには先ずかけ湯、またはかけ水で身体を洗い流しましょう。そしてサウナ室の温度を確認し、自分に合った無理のないサウナ、使用時間をあらかじめ決めましょう。

    • 高温サウナ:80℃〜90℃
    • ロウリュサウナ:60℃〜80℃
    • ミストサウナ(スチームサウナ):40℃〜60℃
    • 塩サウナ:60℃

    身体はタオルで拭きサウナに入り、ベンチに座ります。

    サウナ室に入る前に身体を拭く理由

    • 汗腺を開きやすくし、発汗を促進する

      濡れた肌のままサウナに入ると、水分が肌表面を冷やすため、体温の上昇が妨げられます。身体を拭いてから入ることで皮膚の表面温度がスムーズに上がり、汗腺が開いて発汗が促進され、デトックス効果が高まります。

      • サウナ室の衛生を保つ

        濡れた身体で入室すると、床やベンチに水が滴って他の利用者に不快感を与えることがあります。身体を拭いてから入ることで、サウナ室を清潔に保つことができ、マナーとしても良いとされています。

        • 熱の体感効率を高める

          乾いた肌は熱を効率よく感じやすいため、サウナの効果をしっかりと受けることができます。特にドライサウナでは、肌が濡れていると蒸発時の気化熱で冷却され、せっかくの高温環境が無駄になることもあります。

          • 肌トラブルの予防

            水分に含まれる雑菌や不純物がサウナ内の高温で蒸発すると、肌への刺激になる場合があります。身体を一度タオルで拭いておくことで、こうした刺激を避けられる可能性があります。

            • マナーとしての常識

              日本の多くのサウナ施設では、入室前に身体を拭くことがマナーとされており、貼り紙などで推奨されている場合もあります。周囲に対する配慮としても重要です。

              ただし頭や髪は濡らした方がいいとされています。理由として、頭部が過度に熱されるのを防ぎ、のぼせや熱中症のリスクを軽減できるからです。また、髪の乾燥や傷みを防ぐ効果もあります。

              サウナでの姿勢

              リラックスできる姿勢なら厳格に決められたフォームはありません。

              ノーマルポジションは楽な姿勢で腰掛け、背筋を伸ばして座ります。手を膝の上に置き、手の甲の外側が正面に向くように手を膝の上に置きます。

              これは背筋を伸ばして座り、気道を確保することで呼吸をしやすくし、酸素を体内に送りやすくするためと正しく筋肉を伸ばすことで内臓への負担を減らし、取り込んだ酸素を全身に効率よく供給するためです。

              手の甲を外に向けて膝の上に置くのは、そうすることで脇が自然に開いて胸郭に無駄な負担がかからず、結果肺への酸素吸収量が豊富になるためです。

              手の甲を膝の上に置く以外には肘を膝の上に置く座り方もあります。その際、上体は上記と同じように背筋を伸ばすようにしましょう。

              顔は俯き気味に座るのか良いとされています。喉の筋肉に負担にさえならない体格の方であれば、完全に下を向くのも良いでしょう。

              サウナ内ではできるだけ温度の低い酸素を体内に取り込むのが理想です。(呼吸をしやすくし、リラックスするため)

              下を向くだけでサウナ室上部より温度の低い酸素を体内に取り込めます。身体の構造を理解すると自ずとサウナ内での理想の座り方が理解できます。また身体の体格、フレーム(骨)は個人により微妙に違いがあるので、理想の座り方を入浴者それぞれにアドバイスできることが理想です。

              熱波の受け方

              熱波の受け方は温度の低い酸素を体内にできるだけ多く取り込める座り方で熱波を受けるのが最もリラックスでいるフォームです。

              顔は正面よりも下方。顔面部が身体で最も神経が多く、熱を感知しやすいボディパーツです。体感温度も最も高く感じます。顔面神経は12ある脳神経の1つで第七脳神経とも呼ばれています。ですがあくまで好みであり、どの方向を向いていても入浴者の嗜好で判断するのが良いでしょう。


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